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F4Hスケールクラス


 このクラスはスケール競技をより広く普及させるために、参加機の完成度を従来の
F4Cクラスよりも簡素化し、気軽にスケール競技に参加できることを狙っています。
 参加機の要項も、従来のF4Cに比べて大幅に簡素化され、「競技者はスケール色彩の
完成者としての宣誓が求められる」との記述があるように、ARFをベースとしたモデル
でも、最終色彩の完成者としての宣誓をすれば参加できることとなりました。


F4H スケールクラス
6.9 CLASS F4H - R/C STAND-OFF SCALE MODEL AIRCRAFT  
  
6.9.1 一般規格
  モデル機の一般規格はF4Cと同じ(6.3 参照)

6.9.2 参加資格
  過去6年間において、世界選手権大会、大陸選手権大会のF4C部門において、
  上位5位以内となったモデル機は、再塗装、改修を施したものを含めてF4H
  大会には参加出来ない。
  参加選手が自身のモデル機の製作者であることを要求する規定(6.1.9.4.e)は、
  スタンドオフ・スケールについては適用されないが、モデル機の表面仕上げ
  (色彩とマーキング)は選手によってなされなければならない。

6.9.3 宣誓書
  参加選手は、当該モデル機の表面仕上げ(色彩とマーキング)を施した事を証明
  する宣誓書書式ANNEX6E.1 に記入し、署名しなければならない。
  宣誓書には、静止審査員が参加選手のスケール精度達成に寄与した程度を評価す
  るための質問が含まれる。
  宣誓書に虚偽があれば、参加選手は競技から失格となる。
  参加選手は、宣誓書に記載された事実を証明するために、写真や材料の見本を提示
  することが出来る。

  注意:宣誓書にはこれを有効なものとする競技者のNACによる裏書署名が無けれ
  ばならない。
(訳者注)NACとは各国の模型航空連盟に当たる組織。「National Airsport Controls」の訳
     
6.9.4 静止審査
  a)静止審査員の指名は6.1.4で規定されている。最終静止得点は、各審査員の採点の
      合計である。
  b)全ての静止審査は5m離れた距離から行われる。この距離はモデル機の中心から
      審査員席までの間を計測する。
    c)以下の各項目について、各審査員は1/10を使用して10点までの得点を採点する。 

6.9.4.1 スケール精度
 この項目は、モデルのアウトラインを主題実機(プロトタイプ)のそれと3つの面(側面
 、正面、上からの平面)から比較し、その正確さを、提示された提出資料(ドキュメンテ
 ーション)との照合により評価する。


6.9.4.2 モデルの設計と構造の独創性(創意工夫)
  この項目は、参加選手の努力によって達成されたスケール精度に対する評価である。
  参加選手により全て製作されたモデル(自設計、市販設計図、市販の従来型キット)
  には最大点が与えられる。近代的な完成度の高いキットから製作されたモデルは、
  そのキットの既製度の程度に応じて減点される。
  ARFモデルは(参加選手による大幅な改造の証明が行わなければ)零点に近く評価
  される

6.9.4.3 色彩とマーキングの精度
  この項目は、モデル機の色彩とマーキングの正確さを提示されたドキュメンテーション
  との比較によって評価する。

6.9.4.4 色彩とマーキングの複雑度
  この項目は、モデルへの色彩仕上げおよびマーキングを実機のように再現する事の
  難しさに関する主観的な評価である。

6.9.4.5 実機感
  この項目はモデルが、ドキュメンテーションに表れている主題実機の特徴を、5m
  離れて識別できる表面仕上げ、ウェザリングおよび種々の細部において、いかに良く
  捉えているかの主観的な評価である。

6.9.5 静止審査  係数(Kファクター)
        項目                  Kファクター
   スケール精度             
           上からの平面形            K=13
          側面形          K=13
          正面形          K=13
   色彩 
   精度                          K= 7
          複雑度          K= 3
   マーキング
            精度                   K=10
            複雑度                  K= 5
      実機感                 K=16
      モデルの設計と構造の独創性       K=20
              合計       K=100

〇静止得点と飛行得点の比重の平準化(ノーマライゼーション)
   参加選手の静止得点の合計は、次のとおり500点で平準化(ノーマライズ)される。
   静止得点x = Sx / Sw  X  500
   
   ここにおいて:
   静止得点x =参加選手xの平準化(ノーマライズ)された静止得点    
    Sx = 参加選手xの静止得点 
      Sw = 静止審査における最高得点者の得点

6.9.6 提出資料(ドキュメンテーション)
 a)ドキュメンテーション資料の要求は、3方面からのアウトライン、色彩、マー
   キングおよび実機感をすべて評価するに必要最小限とする。
   全てのスケール機の審査と同じく、スケール精度の判定には良質の写真が第一の
   手段となる。
   写真や印刷による写真複製は、適当なサイズ(A5判が最小)を別個のシートに
   しても良いし、またA2サイズ以下のシートにいくつかの写真をまとめても良い。
   ページに付箋を付けた本のように綴じたものは受理されない。
 b)欠如したり不適当なドキュメンテーションに対する罰則は無いが、審査員は利用
   可能なドキュメンテーションに基づいてのみ得点を与える事ができる。
   不完全なドキュメンテーションは静止審査のどの項目においても減点をもたら
   し、ドキュメンテーションが無い場合にはその項目については零点となる。

6.9.6.1 証明写真
   プロトタイプ機の写真、または印刷の写真複製を最少1枚、最大5枚提出しなけれ
   ばならない。 それら写真のうち、少なくとも1枚はモデル製作の対象とした主題
   実機そのものの写真でなければならない。また、少なくとも1枚は機体全体が写って
   いなければならない。  
      模型の写真は、その模型がプロトタイプ実機と並べられていて、かつその写真が色彩
      を立証するためのものである場合にのみ許される。
      写真にデジタル加工処理が行われた証拠が認められる場合には失格となる。
      近接写真や細部写真は要求されないが、3面形のアウトラインの立証に必要であれば、
      更なる写真(5枚以内)を使用してよい。

6.9.6.2 提出図面
   3面形図面は必要があり、審査員がアウトラインの審査をする拠り所として使用される。
   図面は、6.1.9.4(b)項の要件に適合していなければならない。
   選択された主題実機と図面の間に相違があった場合には、証明写真が優先する。


6.9.6.3 色彩とマーキングの証明
   この項目はカラ―チップ、オリジナルの塗料見本、カラ―写真(3面形審査のため
   に提出した写真と同じでもよい)、出版された本、雑誌またはキットの箱絵等のイ
   ラストで良い。
   同様なカラ―が施された他の機体の例を添えた出版物も認められる。
   色彩証明のためのカラーチップについては実物証明までは要求されない。

6.9.7 飛行スケジュール
   飛行スケジュールはF4Cと同じ(6.3 参照)
 〇 静止得点と飛行得点の比重の平準化(ノーマライゼーション)
   参加選手の各ラウンドにおける飛行得点の合計は、次のとおり1000点で平準化
   (ノーマライズ)される。
           飛行得点x = Fx /Fw X 1000
        ここにおいて:
         飛行得点x =参加選手xの平準化(ノーマライズ)された飛行得点
                            Fx = 参加選手xの飛行得点
                            Fw = そのラウンドにおける最高得点者の飛行得点
6.9.8 最終成績
  a.6.9.5 で得られた静止得点に、6.9.8 で得られた得点のうち2つの最良の飛行得点
    の平均を加えたものとする。
  b.主催者側の掌握が不可能な理由(例えばABR−B.11.1)で3回未満の飛行
    しか実施できなかった場合には、飛行得点は次のように決定する。
  @)2ラウンドの飛行の場合、6.3.9 項により2回の飛行得点の平均が用いられる。
  A)1ラウンドの飛行の場合、1ラウンドの飛行得点が用いられる。
  B)公式飛行における得点は、全ての参加選手がその飛行ラウンドにおいて同等の
    機会を与えられた場合に限り記録される。
      世界選手権大会および大陸選手権大会における国チームの順位は、選手権が完結した後、
      各チームのメンバー3人の最終成績の合計点によって争われるが、チームに4人目の
      メンバーがいる場合(4人目は必ずジュニア・メンバー)には、上位3人の最終成績の
      合計点によることとなる。
       同点の国チームがある場合、トップから数えた順位数の合計がより少ない数となるチームが
       上位となる。もし、その順位数も同点となる場合は、最高点の個人がメンバーとしている
       チームが上位となる。



 
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ANNEX 6F.1 F4H−静止審査の要領 6F.1 一般   a) 他のスケールクラスと同じように、個々のモデル機の審査を開始する前に、    全ての参加モデルを概観し、各モデルの相互の大まかな等級づけを行うべきで    ある。この初期評価の際に特に注意すべきは、すべての静止審査が5m離れて    行われることから、審査員は接近してモデルを観察してはならないことである。   b) F4Hにおける提出書類(ドキュメンテーション)への要求は、審査項目    について公正な審査を行うに必要と見なされる最小限のものに限定されている。    審査員は、如何なる部分でもドキュメンテーションに無いものを評価しようと    して時間を浪費しないことが重要である。   c) ドキュメント不備に対する減点は、ANNEX 6Aの6A.1.9 の規定が適用される。   d) 各モデルに対する十分な審査に必要な時間は通常約15分と考えられる。 e) すべてのモデルの個々に審査が終了した時点で、審査員団は、採点のばらつきに ついて、特に複雑度の得点につき、すべてのモデルの見直しを行う。審査員団は、 その結果、公正でないと判断されるときは遡って得点を訂正する権利を有している。 あるモデルの他のモデルとの比較における相対的な得点付けが重要であり、チーフ・ ジャッジはこの事が実施されたと確認したときに始めて採点表は公表されるべき である。 6F.2 スケール精度(アウトライン)    全ての静止審査においては、3面図と写真がスケール精度の判定をする上での手段    となる。    ANNEX6Aの6A.1.10.1はスケール精度審査への更なる指針となる。 6F.3 モデル設計と構造の独創性   a) 審査員は、参加選手から提示された宣誓書およびその立証資料を調べ、必要に応じ、   競技者がスケール精度(アウトライン)を高めるために行った努力の程度を確認するた   めの質問をしなければならない。     完全な自作機で、競技者がそのことを宣言しているモデルにのみ、最大得点の10点     が与えられる。得点は、スケール精度が参加選手以外の者により達成された場合、     或いは、市販の機械加工品、モールド成形品、或はプレ・カット部材を使用した場合     には減点される。しかしながら、参加選手がスケール精度を上げるためにそのような     既成部品を改造たことを立証出来ている場合には、減点は酌量されるべきである。     モデルが箱から出した製品そのままを組み立てたのであれば、得点は零となる。   b) 以下の記述がガイドとなる    @)自作モデルであって、参加選手が設計、製作のすべてを行った場合、10点    A)市販図面から製作した場合、                   8点                 B)従来型のキットから製作した場合、                6点 C)ほとんど既成部品から製作した場合、               4点 D)ARTFを改造した場合                     2点      E)改造なしのARTF機の場合、                  0点        自作、又は改造部品に関する宣誓書の記述に基づき、静止審査員の判断で上記ガイドの    中間得点を与えることが出来る。                              6F.4 色彩とマーキングの精度 a) 色彩の精度は、モデル機と提示されたドキュメンテーションとを比較して決められる。    審査中の周囲の光線状態(例えば光と陰)は、ドキュメンテーションにおけるそれとは    異なる場合もあり、そのような場合には特別な配慮が必要となる。迷彩色の色分けは、    正しいパターンおよび適切な色の境界のぼかし具合になっていることが必要である。 (ANNEX6Aの6A.1.10.2は色彩の審査への更なる指針となる。)    b) 全てのマーキング、国籍マーク、数字と文字について、色、位置および大きさを審査     する。     審査員はマーキングが左右で同じであると推定すべきではなく、全てのマーキングが     ドキュメン テーションによって確かめられた場合にのみ高い得点を与えるべきである。     (ANNEX6Aの6A.1.10.3 はマーキング審査への更なる指針となる。) 6F.5 色彩とマーキングの複雑度    a) 主題実機の色彩とマーキングの再現のために払われた努力を考慮すべきである。     色彩とマーキングの複雑度は、色彩の数や、マーキングの広がりに止まらず、それらが     モデル上にどのように分配されているか、すなわち色彩間の境界の複雑度、その境界が     平らな面にあるのか曲面にあるのか、さらに羽布上にあるのか固い面にあるのかを調べ     る必要がある。    b) 与えられた得点が、他の参加モデル全体にわたる得点の配分との公平な比較におい     て決められていることを確認することが重要である。      ANNEX6Aの6A.1.10.2および6A.1.10.3は、色彩とマーキングの複雑度審査への      更なる指針となる。 6F.6 実機感      審査員はモデルがそのドキュメンテーション写真に表れている実機の特徴をどの程度      よく捉えているか考慮しなければならない。      主題実機が完成直後もしくは無傷の博物館モデルであれば、モデルも同様に手付かず      の新品状態でなければならない。反対に、主題実機の写真が使い込まれた汚れた表面と、      経年変化した塗装状態であれば、それはモデルに反映されていなければならない。      審査員は、5mの距離からは明瞭に視認できない細部の欠落を、減点しないように注意      しなければならない。                       発効  2014年 1月                           F4C規定委員  松本 行晴
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