No.003
2013年4月5日
にしざわ   みのる    
西 澤 実 氏


(1952年7月7日〜
模型航空フリーフライト殿堂 003 西澤 実 氏
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〔プロフィール〕
 1982年、中部FFに入会。ライトプレーンからF1Bまでゴム動力機全般を幅広く楽しむ。
 41歳で初めて出場した世界選手権(1993年アメリカ)では、7ラウンド全てMAXというパーフェクト記録でのフライオフ進出を果たすも、惜しくも25位に終わる。
 その後も世界選手権に出場を続け、2007年のウクライナ大会では、日本チームとして初めての団体戦優勝を果たし、個人でも7位に入賞した。
 そして、続く2009年のクロアチア大会で、日本人初のF1Bワールドチャンピオンに輝き、念願のウェークフィールド杯を日本に持ち帰った。


〔競技歴(国際競技のみ記載)〕
 1993年41歳 世界選手権アメリカ大会
 1997年45歳 世界選手権チェコ大会
 1999年47歳 世界選手権イスラエル大会
 2005年53歳 世界選手権アルゼンチン大会
 2007年55歳 世界選手権ウクライナ大会 個人7位・チーム優勝
 2009年57歳 世界選手権クロアチア大会 個人優勝・チーム3位


〔ご家族から〕
《西澤安代さん》 主人は若い頃から夕食後は毎晩機体製作の日々でした。私も丸棒にバルサを巻き付けて胴体を作るのを手伝ったりしました。天気の良い日曜日は、いつも朝早くから田んぼに出かけて飛行機を飛ばしていました。そんな主人の姿を見ていたからでしょうか、2才の息子がお気に入りのおもちゃにドライバーを当て修理の真似事をしていて、ビックリしたことを今でも覚えています。
 2007年にウクライナでの世界選手権に主人の応援に同行し、なんと団体戦で日本チーム優勝、そして2年後のクロアチア大会では運も味方につけ、仲間の方々の支えもあり、世界チャンピオンに輝くことができました。どちらの大会も、その瞬間に主人と同じ場所に居られたことはとても幸せでした。若い頃、初めて主人に連れられて訪れた飛行機の大会は、何もない広い田んぼの中で人もまばらにしかおらず、大会本部のテントもなく、正直拍子抜けしてしまったものです。それが、こんなに立派な世界選手権で大勢の素敵な仲間に囲まれて、これまでコツコツと何十年も続けてきた結果を最高の形で残した主人を本当に誇らしく感じました。
 そして今回、殿堂入りが決まったとお聞きしてまさに夢のような気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。これも、世界選手権に一緒に参加された日本チームの皆様をはじめとして、全国の仲間の方々のおかげだと、心から感謝しております。


〔仲間から〕
《中田光恭》 待ち焦がれたウエークフィールド杯が日本に来た。FF屋の我々にとっては歴史の一コマであり、これまでの多くの仲間たちの目標でもありました。優勝杯を目の前にしてカップを抱きしめたり、撫でたりしながら人それぞれ感慨にふける一時を、興奮しながら過ごさせてもらいました。
模型航空フリーフライト殿堂 003 西澤 実 氏  振り返ると、私が今でも記憶に鮮明に残っているのは、2008年の日本選手権で西澤さんが優勝した時のラウンド。あまり時間が残っていないタイミングで3回(私の記憶では)続けてゴムを切り、そばで見ていてもこちらが残りの時間との競争であたふたし、何とか時間ぎりぎりで機体が手から離れる瞬間を、今でも鮮明に記憶に残っています。この年は練習に対する取り組みは半端でなく、ベストの調子で準備ができている様子が周りでも感じ取れました。この練習量が競技中のこのようなトラブル状況でも何とか乗り切っていける“練習は最大の力の源泉”を示してくれたのではないでしょうか。
 翌年の世界選手権ではまさのこの勢いをそのままクロアチアの地へ持ち込み、夢の優勝カップを日本に持ち帰ってくれました。
 日常、飛行機に取り組む姿勢では常に技術者としての視点で最新の情報を取り込み、それらを仲間へ、あるいはクラブ会報等への提供を通して広く普及、啓蒙に努めている様子には頭が下がります。最近のLDA翼、ダブルウィグラー、電子タイマー等の新しい技術への取り組みは、これからの日本のF1B界を常に世界へ目を向けさせ、世界選手権等で上位の成績につながる活躍へつながっていくものと、その取り組み姿勢に期待し、感謝しているところです。
 普段からの模型飛行機普及活動などにも積極的に取り組む姿勢も、これまでの実績と相まって殿堂入りに相応しく、必ず多くの人々から評価が得られる事でしょう.


《白井正己》 日本のFFチームが国際大会に出場するようになってから、FFの技術のレベルが年々著しく向上し、今や世界の強豪と肩を並べるところまで発展してきたのは歴代の日本FF選手諸先輩のご努力の賜物であることは言うまでもありませんが、この間の国際交流により、模型材料、技術のノウハウの入手が容易になったことも忘れてはなりません。
 西澤さんは欧米の選手たちと積極的に親交を深め、アメリカのAndriukov選手等から材料の調達や新機材のノウハウ等を入手し、私たち国内の仲間にも便宜を図ってお世話をして下さっていることは日本のFFレベルの向上に大いに役立っていると思います。
 また、西澤さんの日頃の製作、練習に対する厳しい態度が、競技中の危急のトラブルに功を奏し、本番に良い結果をもたらしているのも私たちへの良い教訓です.


〔 F1B−M号機(2009年世界選手権フライオフで飛ばした機体)〕
F1B−M号機(2009年世界選手権フライオフで飛ばした機体

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